川崎重工とTBG、液化水素6インチ荷役アームの開発完了|商用仕様で何が変わった?

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川崎重工業とTBグローバルテクノロジーズ(TBG)は2026年10月14日、船と陸の間で液化水素を移す商用仕様の6インチローディングアームについて、共同開発を完了したと発表した。

この設備は、今後、川崎LH2ターミナルに3基設置され、40,000㎥型液化水素運搬船を使う実証に用いられる予定だ。今回完了したのは設備の開発であり、ターミナルでの設置や荷役の開始ではない。

船と陸をつなぐローディングアーム

ローディングアームは、港の設備と船をつなぎ、液体を移送するための可動式の配管設備だ。船の位置や動きに合わせてアームを動かせるよう、関節に当たるスイベルジョイントを備える。

液化水素の荷役では、アーム本体だけでなく、回転する継手の密封、船との接続、緊急時の切り離しまで含めて設備を成立させる必要がある。今回の発表は、そうした各部を商用仕様に向けて改良したものだ。

同じ船陸間の燃料供給でも、LNGを船から船へ供給する事例については大阪湾初のShip to Ship方式によるLNGバンカリングで紹介している。

パイロット仕様から変わった点

両社は2018年に初号機を開発し、2022年には神戸の実証ターミナルで液化水素の荷役に成功している。今回は、そのパイロット仕様をもとに、より大型の船への対応や保守性を考慮した商用仕様の開発を終えた。

主な変更点は次のとおりだ。

部位公表された改良内容
アーム本体構造を見直し、大型船にも対応できる長尺仕様にした
スイベルジョイントシール構造を強化し、新しいシールガスシステムを採用。内部の保圧に使うヘリウムの消費量も低減した
緊急離脱装置ドリップパンの駆動を油圧式から重力落下式に変更し、クランプ機構も簡素化した
船陸間継手挿し込みを要しないフランジ式に変更し、軽量・コンパクト化を図った

設備保全の視点で興味深いのは、性能を高めるだけでなく、シールの維持、緊急離脱装置の信頼性、接続作業の負担に手を入れている点だ。ただし、ヘリウム消費量の削減率や保守時間の短縮率は、今回の発表では示されていない。

実液試験を経て開発完了、次はターミナルでの実証

両社は2025年8月から2026年7月まで、JAXA能代ロケット実験場で液化水素を用いた実液試験を行った。発表によると、設備は液化水素ローディングアームの国際規格ISO 24132に準拠して設計・試験され、商用仕様としてISO認証を取得している。

次の段階は、建設が進む川崎LH2ターミナルへの3基の設置と、40,000㎥型運搬船を使った荷役実証だ。設置後の運転実績や保守データが公表されれば、商用仕様としての使い勝手をさらに具体的に見られる。

液化水素の大規模海上輸送では、運搬船だけでなく、船と陸を安全につなぐ設備も欠かせない。今回の開発完了は、その接続部分を実証の次の段階へ進めるニュースといえる。

参考・出典

※アイキャッチは構想イメージであり、実際の設備や設置予定地の写真ではありません。

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